中庭のある家(間取り・断面計画)

中庭のある家を提案したのは、旗竿敷地で周囲を住宅で囲まれていた敷地で、しかも思い出の樹木を残したいという建主さんのリクエストに応えるにはLDKは1階に用意すべきで、その空間を光注ぐ環境にしたいというところからスタートしました。

南に面した部分は細長い間口の面だけで、しかもアプローチの玄関もその位置に設けた方が効果的な敷地です。

1階のLDKはトップライト(天窓)から吹抜けを経由して光を注ぐ方法と、LDK北側の中庭の反射光を最大限に取り入れる方法を併用した断面構成を考えました。

明るい場所を希望されるクライアントさんが大半ですが、人が心地よく過ごせる場所は直射日光が注ぐ場所ではなく、反射光の柔らかい光に包まれた優しい空間なのです。

部屋の明るさも均質ではなく、直射日光の当たる場所、反射光の柔らかい光に包まれた場所、仄暗い場所を程度に配置することが快適な居場所づくりには欠かせません。

そんな時に中庭はとても効果的な空間になりますので、間取り・断面を考える際に取り入れてみると良いでしょう。

 

関連記事

中庭のある家

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

FacebookInstagram

前田 敦の専門性について

執筆・監修・報道・取材