建築の品格

住宅を設計する際に大切にしていることの一つに「建築の品格」があります。

住宅が建つと、その建築のイメージはそこに住む人の品格を連想させます。

つまり、建築家は「施主の品格を司るイメージを創出する」という重要な任務を与えられていることになるわけです。

 

確かに現代建築の3巨匠の住宅作品を見ると、

建築家としての強いメッセージはもちろんですが、そこに品格というものが感じられます。

 

ファンズワース邸(ミース・ファン・デル・ローエ)

サヴォア邸(ル・コルビュジェ)

落水荘(フランク・ロイド・ライト)

 

 

作風やロケーションはもちろん異なりますが、

共通する流れとして感じているのは

施主の託した思いと既成概念を超越した建築家の意志とが絡み合い

そこに創出される「なにか」が、品格として自然に建築から滲み出るものなのでしょう。

業務としての設計監理の責任を果たすのは当然ですが、

そんな「なにか」を創出する責任の重さを痛感し始めています。

今年、還暦を迎えて、建築がますます面白くなってきた♪

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

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前田 敦の専門性について

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