アーバンライフ+ワケーション(2拠点生活)

コロナ禍での生活・労働環境の激変により、テレワークやワケーションと言う新しいライフスタイルが注目されています。
現在の通信環境でもなんとか対応できるこのライフスタイルは、5Gによる通信環境が広範囲に整備されていけば、ますます普及していくのではないかと予想することができます。

場所という拘束から解放されたこの考え方は、時間の使い方にも変化が生じ、一箇所に集まらなければならない労働環境が必要なくなり、個人単位での生活環境に労働という環境が融合されてきます。

2拠点

特徴的な石積みのある敷地風景

このプロジェクトは、子供の頃、生まれ育った自然豊かな地域に別荘を建てたい!というクライアントさんのために計画されたものです。

当面は都市部ではマンションで暮らし、自然豊かなエリアで別荘ライフをエンジョイしたい!という2拠点生活
そして、仕事を引退したら移住するというライフプランを持たれていらっしゃいますが、
テレワークとなった現在では、単なる生活だけの拠点ではなく、職住一体型として機能も重要となってきます。

大屋根で繋がる母屋と離れ

職住一体化した環境において、労働環境と生活環境との関係性をどう築いていくのかが、テレワーク、ワケーション時代の家づくりの基本となります。

家族の気配を感じつつも、独立性を確保したい!という程よい距離感が、それぞれの人の感性や考え方によって変わってきます。

また、ご共働きの家庭では、ご主人と奥様のワークスペースをどのように配置するか?

就業の時間帯や職種によっても様々なケースが考えられると思います。

2拠点生活 ワケーション

 

読書が趣味の奥様には、外部の中間領域となる縁側からアクセスする場所に図書室兼ワークスペースを、そしてご主人には夢の隠れ家として「離れ」を書斎兼ワークスペースとして配置しています。

離れといっても大屋根に覆われた半屋外空間(ウッドデッキ)を経由して連続していますので、雨の日にも傘をささずに行き来できます。

 

テレワークというバーチャルな交流が続くと、どうしてもリアルな交流を欲するのも人の本能なのでしょう。
家族(お母様)がこられた時の部屋、来客のためのスペースも用意しています。

大屋根になるとどうしても採光が行き届かない部位が出てきますので、随所に屋根に開口を設けて中庭を配置し、ゆとりと明るさを提供しています。

もっとも眺望のより2階南西角には展望露天風呂を併設した浴室とご夫婦の寝室、
そして、ご主人の収集されたアート作品のギャラリーおよび収蔵庫も用意しています。

徹底して自分たちの趣味を楽しむという2拠点生活
コロナ禍だからこそ、人生の楽しみ方を再考すべき時かもしれません。

 

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ワケーションl

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

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